中国生まれのアメリカ合衆国の地理学者イーフー・トゥアン(Yi-Fu Tuan、段 義孚)の著書『Escapism』によると、人間は安定や安定さを示す物質的環境を求め、既に慣れてるものや場所に惹かれる。人間は、原始的な恐ろしい自然から、洗練的な文化へ逃避する。そして、文化から文明が生まれ、そこで人は帰属意識を高める。文明の安定さは崩れていても、人は文明を守る態勢を持ち、希望の火が燃え尽きるまで戦い続ける。
インスタレーション作品や、映像と繰り返しのプロセスを通して、それぞれの場所や時空で繋がりが成り立ち、設計された環境から体の存在や体験が影響される。故郷、あるいは居場所を再想像する意味も含めている。「我らの体が環境への感覚に縛られる場は、『場所』である。我らのこころがそういう感覚から解放される場は、『空間』である。」(Tuan Yi-fu, Space, Place and Nature: The Farewell Lecture より)
帰省
ビデオインスタレーション(木製パチンコと)
ビデオインスタレーション(木製パチンコと)